ジムニー4駆切り替えについて調べていると、切り替えができないときの原因や正しい方法、メーターの表示の意味、切り替えるべきタイミングなど、気になるポイントがいくつも出てきます。
特にボタン式やレバー式が混在する世代では、操作の違いが分かりにくく、不安を感じやすいところです。
さらに、走行中に切り替えても良いのか、JB23やJA11といった型式ごとの違い、雪道での安全な使い方なども押さえておきたいテーマです。
ジムニーは雪道でも四駆で走行できますか?という疑問や、ジムニーの4WDの切り替えで燃費は変わりますか?といった実用面の悩みもよく挙がります。
この記事では、こうした疑問に一つずつ丁寧に触れながら、ボタンやレバーの操作方法だけでなく、走行中に行ってよい切り替えと避けるべき操作、JB23やJA11特有のポイントまで整理して解説します。
表示ランプの見方や、切り替えのタイミング、トラブル時に「できない」と感じたときのチェック方法まで押さえることで、不安なく4WD機能を活用できるようになることを目指します。
■本記事のポイント
- ジムニーの4駆切り替えの基本構造と役割
- 切り替えができないときの原因と対処の考え方
- JB23・JA11を含む型式ごとの操作の違い
- 雪道走行や燃費への影響と実践的な使い分け
ジムニー4駆切り替えの基礎知識
ジムニーの4駆切り替えはシンプルに見えて、実際には路面状況や車速、操作タイミングによって結果が大きく変わる精密な仕組みです。
特に、切り替えができないときの原因を正しく把握できるかどうか、レバー式とボタン式それぞれの特徴を理解しているか、表示ランプの意味を読み取れるかといった基礎知識は、安全で確実な操作のために欠かせません。
また、4WDに切り替えるべきタイミングや、電気式ボタン操作の注意点は、長くジムニーに乗るうえでぜひ身につけておきたいポイントです。
この章では、日常走行から悪路走行まで役立つ重要な基礎を順番に整理し、迷いなく4WDを扱えるよう丁寧に解説していきます。
切替できない時の確認点

ジムニーの4駆切り替えがうまく行えないと感じる場面では、機械的な故障以前に、使用条件や操作手順が適切でないことが要因になっているケースが多く見られます。
ジムニーに搭載されるパートタイム4WDシステムは、一般的に2WD(2H)と4WD(4H/4L)をドライバーが任意に切り替えて使用できる構造であり、切り替えの瞬間には駆動系に一定の負荷が発生します。
そのため、トランスファー内部のギアがスムーズにかみ合う状況を作ることが前提となります。
まず押さえておきたいのが、車速とステアリング操作の関係です。
多くの4WD車の取扱説明書では、2Hから4Hへの切り替えを行う際、直進状態かつ低から中速域(概ね時速40km/h以下が推奨されるケースが多い)で操作するよう記載されています。
速度が高い状態や、ステアリングを大きく切った状態では、前後輪の回転差が大きくなり、トランスファーのシンクロ機構がギアを噛み合わせにくくなる可能性があります。
こうしたギアの噛み合わせ不良は、切り替えが渋い、レバーが動かない、警告灯が点滅したままになるといった症状につながりやすくなります。
次に、4Lに切り替えられない場合は、停止状態とギア位置の確認が欠かせません。
一般的に、4Hと4Lの切り替えは停止した状態で行い、ミッション側をニュートラルにすることで初めてトランスファー内部のギア比が変更できる設計になっています。
わずかに車両が動いているだけでも、ギア歯面の位置が合わず、レバーやボタン操作に抵抗を感じることがあります。
また、路面状況も重要な判断材料になります。
パートタイム4WDは、本質的に滑りやすい路面(雪道、未舗装路、泥濘など)を想定して設計されており、乾燥した舗装路ではタイヤの回転差を吸収できず、駆動系に過剰な負荷が生じることがあります。
このような道路状況では、4WDに切り替える操作自体がスムーズに行えない場合や、切り替え後に戻しにくくなる場合も想定されます。
さらに、メンテナンス面の要因として、ハブの固着や、トランスファーオイルの劣化、リンク機構の潤滑不良なども考えられます。
とくに旧型の機械式フリーハブ車では、使用環境によって可動部が固着し、4WDへの切り替えが完了しない例も報告されています。
国土交通省が公開している自動車整備技術関連の資料(出典:国土交通省 自動車整備技術関連情報)でも、駆動系の点検や潤滑の重要性が示されており、定期的な整備は切り替えトラブル防止に直結します。
これらの基本ポイントを確認しても切り替え不良が続く場合、安易に操作を繰り返さず、プロの整備工場で点検を受ける判断が推奨されます。
トランスファー内部やハブ機構に負荷が蓄積すると、より大きな修理につながることがあるため、早期の対応が機械的な寿命を延ばすうえでも役立ちます。
切替方法を理解する要点

ジムニーの4WDシステムを正しく使いこなすには、基本的な駆動モードの役割と切り替え方式の違いを理解しておくことが不可欠です。
ジムニーに採用されるパートタイム4WDは、2H・4H・4Lという3つの主要モードを使い分ける構造になっており、それぞれの用途と制約が明確に分かれています。
2H(後輪駆動)は通常走行の基本モードで、舗装路や高速走行に適しています。
後輪のみを駆動するため、燃費性能が高く、部品負荷も少なく済む傾向があります。
これに対し、4H(高速四輪駆動)は雪道や未舗装路など、タイヤが滑りやすい路面において安定性を高める目的で使用するものです。
前後輪が同時に駆動するためトラクションが向上しますが、舗装路での常用は駆動系に負担がかかるため避ける必要があります。
4L(低速四輪駆動)はトルクが大きく増幅された状態で駆動力を発揮できるモードで、深い轍や急勾配の登坂など、通常の4Hでは不足する場面で威力を発揮します。
切り替え方式には、レバー式とボタン式(電気式)が存在します。
レバー式では、トランスファーレバーを手動で操作し、機械的に内部ギアの位置を変更します。
手応えがダイレクトで、ギアがかみ合った感触も分かりやすい構造です。
一方、ボタン式では、ダッシュボードのスイッチを押すことで、電気信号をトランスファーコントローラーが受信し、アクチュエーターを介して切り替えを行います。
操作は軽く、誤操作も少ない利点がありますが、電装系トラブルやアクチュエーターの劣化が発生する可能性も考慮する必要があります。
切り替えを行う際には、最適な条件を整えることが非常に大切です。
2Hから4Hへの切り替えは、低から中速の直進状態を選ぶことで、前後輪の回転差が最も少ないタイミングとなり、ギアがスムーズに噛み合いやすくなります。
逆に、急旋回中や強めの加減速の最中では、切り替えが渋くなる可能性があります。
また、4Lに変更する場合は必ず停止し、ミッションがニュートラルになっているかを確認する必要があります。
これらの条件は、トランスファー内部の歯面が適切に配置されている状態を作るための基本要素です。
補足として、4WD切り替え時にはメーターの指示灯が切り替わったことを示す重要なインジケーターになります。
点滅から点灯に変化しない場合は、切り替えが完了していない状態を意味し、そのまま走行すると駆動系に負荷がかかり続ける可能性があります。
こうした兆候を見逃さず、適切に対処することで、ジムニーの4WD性能を十分に引き出しつつ長期的な信頼性を確保しやすくなります。
切替表示の見方と注意点

4駆切り替えが適切に行われているかを把握するためには、メーター内の表示ランプの意味を正確に理解することが欠かせません。
ジムニーの多くのモデルでは、4WDモードに入るとインパネ内に4WDまたは4×4のランプが点灯する仕組みになっており、2Hの時は消灯します。
この表示は、現在どの駆動状態にあるかを示すだけでなく、切り替えが正常に完了したかどうかを判断する重要な情報源となります。
ボタン式の車両で4WDボタンを押した際、まずランプが点滅し、その後点灯に変わるという動作は、トランスファー内部のアクチュエーターが駆動し、4WDへの接続が完了したことを意味します。
点滅が続く場合は、内部ギアが噛み合っていない、ハブ側の切り替えが完了していない、電気信号が届いていない、もしくは車速やステアリング状態が適切でないといった複数の要因が考えられます。
このような際には、いったん停止して再操作する、直進状態でゆっくり走りながら切り替えを試すなど、負荷の少ない状態を整えることで改善することもあります。
レバー式の車両では、表示ランプとレバー位置の両方を確認する必要があります。
レバーが所定の位置にしっかりと入っていなければ、表示ランプが点灯していても実際には完全に噛み合っていない場合や、逆にレバー位置だけでは判断がつかないケースもあります。
特に、レバー式はメカニカルなため、内部リンクの摩耗やブッシュの劣化により、操作感が曖昧になることがあります。
これらの要因が積み重なると、レバー位置と実際の駆動状態が一致しないトラブルの原因となるため、表示ランプとの照合は習慣化しておくと良いでしょう。
さらに、季節や使用環境による影響も無視できません。
冬場は凍結や泥汚れの影響でセンサー類が反応しにくくなり、表示が不安定になるケースが見られます。
悪路走行後は、泥がセンサー周辺に付着し、動作が鈍くなることもあり得ます。
こうした環境要因は、走行後の点検や洗浄を行うことで予防できます。
表示ランプが異常であると感じる場合は、トランスファーやハブが想定通りに切り替わっているか慎重に確認し、不安があれば整備工場で診断を依頼する判断が適切です。
駆動系の表示異常は、走行の安全性にも関わる重要なサインであるため、早期の対応が将来的なトラブル防止に役立ちます。
切替タイミングの基本目安

ジムニーの4駆切り替えは、操作手順そのものと同じくらい、適切なタイミングを見極めることが大切です。
パートタイム4WDは、滑りやすい路面や悪路で真価を発揮する一方で、舗装路ではタイヤの回転差を吸収できない構造のため、安定した路面で安易に四駆を使用すると、ドライブシャフト・トランスファー・デフなどに余計な負荷が蓄積されることがあります。
そのため、路面状況を的確に判断し、早めに切り替える意識が必要となります。
まず、悪路や雪道へ進入する前に余裕を持って4Hへ切り替えることが、一般的な推奨行動として挙げられます。
たとえば、凍結が予想される橋の手前、山間部の影になるカーブ、未舗装路の入り口など、路面状況が変化するポイントを予測したうえで4WDに切り替えることで、突然のスリップや登坂時の力不足を避けやすくなります。
逆に、乾燥した舗装路へ戻ることが明らかな場面では、4Hのまま長距離を走り続けるのではなく、適切なタイミングで2Hに戻すことが、駆動系保護と燃費効率の観点から望ましい行動となります。
パートタイム4WDはセンターデフを持たないため、舗装路での長時間四駆走行は、前後輪の微妙な回転差が蓄積し、ドライブラインに負荷が加わりやすくなります。
この負荷は「ドライブラインバインディング」と呼ばれ、異音や戻しにくさの原因となることがあります。
4Lを使うべきタイミングは、より限定されます。
深い轍、岩場、急勾配、スタック脱出など、低速で強いトルクを必要とする場面でのみ使用するのが一般的な推奨方法です。
4Lはギア比が大きく、タイヤに伝わる力が増幅されますが、速度は極めて低速に制限されます。
そのため、通常走行には向かず、雪道であってもほとんどの場面では4Hで十分対応できます。
また、環境条件を読む力も求められます。
気温・路面温度・日照の有無・降雨後の水分量などによって、滑りやすさは大きく変わります。
たとえば、晴れていても橋の上は路面温度が低く凍結しやすく、峠道の北側斜面は日陰で氷が残っている可能性があります。
こうした「潜在的リスク」を見越して余裕を持った切り替えができるかどうかが、安全性を大きく左右します。
適切なタイミングでの4WD切り替えは、単に安全性を高めるだけでなく、車両への負担を減らす効果も期待できます。
路面状況を把握する習慣を養い、4H・4Lの役割を理解したうえで使い分けることが、ジムニーの4WDシステムを最大限に活かすための鍵となります。
切替ボタン操作の注意点

電気式トランスファーを採用するジムニーでは、切り替えボタンの操作方法と注意点を理解することが、安定した4WD切り替えのために欠かせません。
ボタン式は軽快な操作性が魅力ですが、内部ではコントロールユニットが電気信号を受け取り、その指令によってアクチュエーターが動作する構造になっているため、操作のタイミングや車両の状態によっては切り替えがスムーズに完了しない場合があります。
まず、切り替えボタンを押す際には、急激な加速・減速中を避け、可能であればアクセル開度を低めに保ちながら直進状態で操作することが推奨されます。
電気式アクチュエーターは、駆動系の負荷が少ない状態で動作させるほうが、内部ギアの噛み合いが整いやすい構造です。
また、ボタンを連打する行為は避けるべき代表的な誤操作です。
ボタンを連続して押すと、コントロールユニットが複数の信号を短時間に受け取ることになり、切り替え処理が中断されたり、逆に時間がかかったりすることがあります。
操作後は、メーターの4WDランプが点滅から点灯に変わるまで待つ姿勢が必要となります。
切り替えが完了しない要因としては、アクチュエーターの作動不良、電装系の接点不良、車両の姿勢変化(激しい上下動)、路面状況によるギア噛み合いの遅れなど、複数の可能性が挙げられます。
特に、JB23後期型のような電気式トランスファー搭載モデルでは、車齢とともにアクチュエーター内部のモーターやギアが摩耗し、切り替えに時間がかかったり不安定になるケースが報告されています。
さらに、バッテリー状態も切替精度に影響を与えることがあります。
電圧が低下した状態では、アクチュエーターの動作が弱まり、切り替えが途中で止まることがあります。
バッテリーの劣化診断や端子の状態確認は、電気式4WDシステムの安定運用においても有効です。
加えて、四駆ランプが点滅したまま走行すると、トランスファー内部が中途半端な位置のまま駆動力を受け続ける可能性があり、部品寿命を縮める原因となり得ます。
ボタン式は簡単なようでいて、実は車両の状態を見極めながら操作する繊細さが求められる方式であるため、不規則な挙動が続く場合は早めに点検を受ける方が長期的に安心といえます。
ジムニー4駆切り替えの実践解説
ジムニーの4WDシステムをより深く理解し、安全かつ効果的に活用するためには、基礎知識だけでなく実践的な使い方を押さえておくことが欠かせません。
特に、走行中に切り替える際に避けるべき動作、レバーやボタンの扱い方、JB23とJA11といった型式ごとの特徴は、誤操作やトラブルを防ぐうえで大きな役割を果たします。
また、雪道での四駆活用方法や、切り替えが燃費に与える影響など、日常の運転に直結する疑問も多くのユーザーが気になる点です。
この章では、実際の走行シーンを想定した具体的な解説を通して、状況に応じた最適な判断と操作ができるよう導きます。
走行中の切替で避ける動作

ジムニーの4WDは、2Hから4Hであれば状況によっては走行中でも切り替えが可能ですが、適切に使いこなすためには、避けるべき操作や条件を理解しておくことが欠かせません。
誤った操作は、トランスファーやドライブシャフトに過度な負荷を与え、切替不良や異音、ギアの損傷につながる可能性があります。
まず避けたいのが、高速走行中の4WD切り替えです。
多くの4WD車の取扱説明書では、一定の速度(概ね100km/h以下またはそれ以下の制限)が記載されており、それを超える速度域での切り替えは推奨されません。
高速走行時はタイヤの回転数が高く、前後輪間の速度差も大きくなるため、ギアの噛み合わせに大きな力が加わります。
これはトランスファー内部の損耗を早める要因となり得ます。
次に避けるべきなのは、ハンドルを大きく切った状態での切替操作です。
旋回中は前後輪・左右輪の回転差が大きくなるため、その状態で四駆に切り替えると、トランスファーやデフに不要な力がかかり、いわゆる「ドライブラインバインディング」を誘発しやすくなります。
バインディングは、戻し操作ができない、異音がする、駆動が重くなるなどの症状を引き起こすことがあります。
さらに、タイヤの空気圧不均一や前後異径タイヤの使用も、走行中の切り替えでは避けたい条件です。
パートタイム4WDは前後輪がほぼ同じ速度で回転することを前提として設計されているため、タイヤサイズや空気圧に差があると、四駆接続時に常に回転差が発生し、駆動系部品にストレスがかかり続けることになります。
また、悪路で強い上下動が続く状態では、物理的にギア噛み合いのタイミングが取りにくくなる場合があります。
このような状況では、一時的にアクセルを戻し、車両姿勢が安定した瞬間に操作を行うことで改善することがあります。
これらのポイントを踏まえると、走行中の切り替えでは「直進・低速・負荷の少ない状態」を心がけることが最も効果的といえます。
車両の姿勢や速度を整えたうえで操作することで、駆動系の負担を最小限に抑えながら安全な切り替えが行えます。
切替レバーの扱いと要点

レバー式トランスファーを備えたジムニーにおいて、切替レバーの正しい操作は4WDシステムの寿命と性能に直結します。
レバー式は、ドライバーの操作がそのままトランスファー内部のフォークやギアに伝わるため、誤った操作や力任せの動作は内部部品の摩耗や破損につながる可能性があります。
まず理解したいのは、レバー式が「メカニカルに直接ギアを動かす方式」であるという点です。
シフトレバーと同じように見えますが、その内部ではトランスファーケース内のスリーブ、シンクロ機構、ギアセットなどが動作しており、これらはいずれも一定の条件が整わなければスムーズに噛み合いません。
たとえば、前後輪回転差が大きい状態では、内部のスリーブがギア歯面と強く当たり、引っかかりが生じて動作が重くなることがあります。
2Hから4Hへ切り替える場面では、あらかじめアクセルを少し戻し、車速を落ち着かせた直進状態で操作するのが理想的です。
もしレバーに抵抗を感じた場合には無理に押し込むのではなく、車速を微調整したり、軽くアクセルを戻したりすることで、内部ギアの位置が自然に揃い、スムーズに入ることが期待できます。
4Hから4Lへ切り替える場合はさらに注意が必要です。
4Lは大幅にギア比が変わるため、原則として停止状態で行い、ミッションはニュートラルにしておく必要があります。
ニュートラルにする理由は、ミッション側の回転を断ち切り、トランスファー内部のギアが自由に移動できる状態を作るためです。
また、レバーを「カチッ」と節度感がある位置まで確実に入れることが重要です。
中途半端な位置で止まってしまうと、走行中にギアが抜ける、異音がする、4WD表示ランプが不安定になるなどのリスクが発生します。
レバーの操作には、力任せではなく、トランスファーの機構が動作するタイミングを感じながら行う丁寧さが求められます。
さらに、レバー式はリンク機構やブッシュなどの周辺部品の摩耗にも影響を受けます。
使用環境によっては、泥・砂・凍結などが付着し、可動部が重くなることもあります。
定期的な点検と、必要に応じた潤滑や部品交換が長期使用の鍵となります。
レバー式は確実性と整備性に優れた方式であり、適切に扱えば非常に長寿命です。
操作の基本原則を理解し、車両の状態を読みながら丁寧に扱うことで、ジムニー本来の4WD性能を十分に引き出しやすくなります。
JB23とJA11の切替特性

ジムニーの人気型式であるJB23とJA11は、どちらも優れた4WD性能を持つモデルですが、4駆切り替え方式や構造には大きな違いがあります。
これらの違いを理解することで、車両に合わせた最適な切り替え操作やメンテナンスのポイントが明確になります。
まずJB23について、これは1998年から2018年まで製造された3代目ジムニーにあたり、前期と後期で4WD切替方式が異なります。
前期型はレバー式トランスファーを採用しており、メカニカルな操作感と確実性の高さが特徴です。
後期型では電気式トランスファーが採用され、4WDボタンによってアクチュエーターを動作させる設定となっています。
電気式は操作の軽さや、車内スペースがスッキリするという利点があり、日常用途では使いやすい方式です。
一方で、電気式は電装系トラブルが発生した場合に切り替えが行えなくなる可能性があり、アクチュエーター内部のモーターやギアの磨耗による不具合も考えられます。
こうした点は、年数が経過したJB23後期を使用する際に注意したいポイントとなります。
対してJA11は、1990年代に販売された2代目ジムニーで、レバー式トランスファーと手動/自動フリーハブの組み合わせが基本構成です。
シンプルなメカニズムで構成されており、整備性の高さや耐久性、オフロードでの強さが評価されています。
ハブの構造がシンプルなため、泥や砂が詰まった場合でも分解清掃が比較的容易であり、オフロードユーザーから長く支持される理由の一つとなっています。
両者を比較すると、次のような特徴が明確になります。
| 型式 | 切替方式の例 | 特徴的なポイント |
|---|---|---|
| JB23 前期 | レバー式 | 直感的な操作感、メカニカルな信頼性 |
| JB23 後期 | ボタン式電気式トランスファー | 室内がすっきりし、操作が軽い |
| JA11 | レバー式+フリーハブ | シンプルな構造で整備性が高い |
いずれの型式でも、2H・4H・4Lの基本的な使い分けは共通ですが、操作方法や注意点には違いがあります。
特にJA11ではハブのロック/フリー操作が必要な場合があり、これを忘れると4WDが正しく機能しない原因になります。
JB23後期では電装系の健康状態が切替精度に影響しやすく、バッテリー電圧やアクチュエーター状態にも気を配る必要があります。
このように、JB23とJA11の違いを把握することは、自身のジムニーに適した操作方法を選択し、長く安心して使用するために非常に役立ちます。
ジムニーは雪道でも四駆で走行できますか?

雪道走行はジムニーの4WDがもっとも効果を発揮する場面の一つですが、適切な使い方や注意点を理解しておくことが重要です。
雪道でも四駆で走行できますか?という疑問に対しては、多くの場面で4Hを活用することで発進性・安定性の向上が期待できると言えます。
圧雪・新雪・アイスバーンなど雪道にはさまざまな状態がありますが、特に発進時や登坂時において、2WDではタイヤが空転しやすく、車体が前に進まない場合があるため、4Hに切り替えることで前後輪の駆動力を分散させ、タイヤが路面を捉えやすくなります。
ただし、四駆を使っていても停止距離が短くなるわけではありません。
雪道での制動力はあくまでタイヤと路面の摩擦係数に依存するため、四駆であっても急ブレーキをかけた際の停止距離は2WDと大きく変わらない場合があります。
この点は雪道走行における大きな誤解の一つであり、安全運転のためには速度を抑え、早めの減速、十分な車間距離などの基本が欠かせません。
雪道の種類によって4WDの効果は異なります。
圧雪路では比較的安定性が増しますが、アイスバーンでは四駆であっても滑りやすく、特に下り坂では過信は禁物です。
また、タイヤの種類(スタッドレスタイヤの性能、摩耗度、空気圧)も走行性能に大きな影響を与えます。
いくら四駆性能が高くても、摩耗したスタッドレスでは制動距離が伸び、ハンドリングが不安定になる可能性があります。
さらに、部分的に雪が残っている路面では、乾燥舗装部分と圧雪部分が交互に現れることがあります。
このような路面では、必要な区間だけ四駆を使い、路面が安定したら2Hへ戻すことで車両への負担を減らしつつ安全性を確保できます。
パートタイム4WDはセンターデフを持たないため、乾いた舗装で四駆を多用すると駆動系に負荷がかかるため、この「使いわけ」が非常に重要になります。
雪道では、四駆性能だけでなく、ドライバーの判断と操作が安全性を左右します。
急発進を避け、ゆっくりとアクセルを踏み、カーブ手前では早めの減速を行うことが安定走行の基本です。
これらのポイントを理解しておくことで、ジムニーの四駆性能をより安全に活かすことができます。
ジムニーの4WDの切り替えで燃費は変わりますか?

4WDの切り替えが燃費に与える影響は、ジムニーに限らずパートタイム4WD車全般で大きな関心事です。
ジムニーは2H(後輪駆動)と4H/4L(四輪駆動)を切り替えて使用する構造であるため、駆動方式の選択によってエネルギー消費量が変化する仕組みを理解しておくと、燃費悪化を避ける運転が行いやすくなります。
まず押さえておきたいポイントは、「一般的に2Hのほうが燃費が良い傾向にある」という事実です。
2Hでは後輪のみを駆動するため、前輪側のドラッグ(駆動抵抗)が最小限に抑えられ、ドライブシャフトやデフなど前輪側の駆動系統が回転する必要がありません。
そのぶん駆動ロスが少なく、エネルギー効率が高まります。
これに対し、4Hは前後輪を同時に駆動するため、駆動系全体の回転抵抗が増加します。
駆動する部品が増えるほどエネルギーロスが大きくなり、結果として燃費が低下する方向に影響します。
特に舗装路で4Hを使用した場合は、前後輪のわずかな回転差が蓄積され、駆動系に負荷がかかるだけでなく、抵抗が増えて燃費にも影響を与える可能性があります。
4Lはさらにギア比を大幅に下げるため、燃費効率を考える場面では使用されません。
4Lは脱出・急勾配・クロカン走行といった特殊状況下で使用する専用モードであり、街乗りで使用すると燃費が極端に悪化します。
実際、4Lは低速高トルクを目的に設計されているため、燃料効率よりも走破性が優先されるモードです。
ただし、燃費を気にするあまり、必要な場面で2Hのまま走り続けることは避けるべきです。
雪道・泥道・凍結路などでタイヤが空転すると、無駄なアクセル操作が増え、かえって燃料を消耗する可能性があります。
また、スタックした場合は脱出に多くのエネルギーを使い、結果的に燃費がさらに悪化する可能性もあります。
燃費面と安全性のバランスを考える上では、「路面状況が安定している場面では2H」「滑りやすい路面や悪路が続く場合は迷わず4H」「極低速での大トルクが必要な場面では4L」と使い分けることが適切です。
駆動方式ごとの燃費傾向は、以下の表に整理できます。
| 駆動モード | 主な路面例 | 燃費の傾向 | 使いどころのイメージ |
|---|---|---|---|
| 2H(2WD) | 乾いた舗装路 | 比較的良好 | 通勤・街乗り・高速走行 |
| 4H(4WD) | 雪道・未舗装路 | やや悪化しやすい | 圧雪路、ダート、雨天の峠道 |
| 4L(低速4WD) | 深い轍・急坂 | 燃費は二の次 | 脱出・クロカン・重い牽引 |
日常的に燃費効率を高めたい場合は、以下の点も効果的です。
●タイヤ空気圧を適正値に保つ(低すぎると転がり抵抗が増える)
●無駄な荷物を積載しない(車重増加は燃費悪化の要因)
●急加速や高速走行を控え、一定速度を保つ
●雪道では空転を防ぐため早めの4H切り替えを行う
これらを意識することで、4WD車としての特性を損なわず、現実的な範囲で燃費改善を図ることができます。
【まとめ】ジムニー4駆切り替えについて
最後に本記事で重要なポイントをまとめます。

